イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛
声をかけ直すと、彼女は振り向いて笑い__。


「それについては、私よりも本人に聞いて。その方がきっと面白いから」


それじゃね、と席を立って店から出て行くドン。
昨夜から彼といい、ドンといい、一体どんな話を隠してると言うんだろう。



「ねぇ…」


ドンの背中を見送った後、私は目線を彼に戻した。
今泉君はシレッとした感じでボンゴレパスタを食べていて、それを見つめながら、「私にだけ内緒なの?」と責め寄る。


「ドンも部活の仲間達も知ってると言うのに、私だけが知らないままでいいの?それなら私も今泉君の秘密を喋っちゃうよ。部屋にトレーニング器具買って置いて、筋トレが趣味だって言っちゃうから」


そりゃ確かに綺麗な躰つきではあった。
思わずぼうっとして見惚れて、触らせて…と願ったくらいだもん。


だから、それを話しても自慢にしかならないかもしれない。
でも、中学時代は勉強ばかりしていた彼だったから、そのイメージを壊すことにはなると思う。


「いや、それは」

「だったら教えて。何隠してるの」


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