イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛

むぅっとしたまま下から目線を上げた。
ぐっと喉を詰まらせる彼を冷めた眼差しで見つめ、ほらほら…と言い重ねる。

私に詰め寄られ、はぁー…と大きな溜息を出す今泉君。
参ったな…と覚悟を決めたような声を漏らしてテーブルに肘を付き、こっちの様子を窺ってくる。



「……卒アルにさぁ」

「うん」

「俺の名前でメッセージが書いてあったろ」

「うん。あっ！それ、やっぱり今泉君が書いてくれたの！？」


嬉しいっ…と喉元まで出掛かったんだが。


「いや、違う。あれを書いたのは俺じゃない」

「えっ？」

「俺の近くにいた女子。執事も何か書けば？と言うから戸惑って、適当に書いといてくれよって頼んだ。
そいつ、何て書いたらいいか分からないって迷うから、それなら別に書かなくてもいい、と言いたかったんだけどさ……」


そのまま少し黙って目線を伏せた。
照れてるのか、少し頬が赤くて、私は彼のことを覗き込んだ。

唇が小さく動いて何か言ってる。
何？と訊き返すと顔を上げ……。