イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛
「最後にどうしても好きだ…って言いたくて。『君がいる空間が大好きでした』と書いて欲しいと頼んだ。頼んでる間すっごく照れくさくて、動揺を隠す為にダッシュで教室を出たんだ」


それを多分、環は盗み聞きして見てたんだろうと推測してる。
あれを書いたのは卒アル委員をしていた女子で、もう一つ、頼んだことがある…と言いだした。


「えっ。まだ何かあるの?」


隠し事?と問うと、バツの悪そうな顔でこめかみを掻く。


「ああ」


もはや食事どころではない私は無言に変わり、目線で彼に訴えた。


(早く話してっ!)


間もなく彼が当直に向かう時間がやって来る。
モタモタしてたら聞かれない。


「怖ぁ…」

「早く!」


つい怒鳴りそうになって唇を隠す。
それを見てた彼は思い出したように笑い、実は…と真実を語った。


「あの葵の頭身写真、俺がそいつに頼んで卒アルに載せてもらったんだ。皆と連んで遊ぶ様な葵じゃなかっただろ。だから、一人で本読んでる写真でもいいから加えてやって、とお願いした」

「ウソ!」

「本当。しかも、あの写真を撮ったのも俺だから」


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