イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛
(ゲンキンなんだから)


クスッと笑って様子を見守る。
この間はファミレスで偶然出会い、てっきり今泉君とのことをバラされると怯えてたんだが、意外にもまだ他の子達の耳には届いてない様子だ。


安心して全員分のテストを返却した後は、答えを解説しながら壁に貼られた献立表を確認し、お昼のことを考えて勝手に顔が緩んでくる。


(今日こそは……)


がっつりアレを食べるぞ、と意気込んで望むのは給食。
今日のメニューはクリスマス仕様で、いつもより豪勢だと聞いている。

先週は残念ながらA5ランクの牛肉を逃したから、今日こそは…と張り切って登校してきたんだ__。




「……それじゃあ皆さん、席に着いて下さい」


全校生徒と教師が着席したテーブルの前には、白いエプロンと三角巾を身に付けた給食係のグループが並び、その端にいる六年生の男子が、両手のひらを合わせて周りを見渡した。


「合掌!」

『頂きます!』


大きな声が反響して、途端に賑やかになるランチルーム。
カチャカチャと箸やスプーンを使う音と話し声が混ざり合い、うるさい騒音の様にも感じる。


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