イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛
(つい食べ過ぎてしまうのも悩みだしね)


苦しい…と思っても、生徒達の前では結構無理して食べてしまう。
教師が残せば生徒も残してもいいんだ…と、勘違いされても困るから。


「先生」


隣に座ってる女子生徒から呼びかけられ、ん?と目線を向けて、何?と訊き返す。その子はじっと私の全身を見つめて不思議そうに首を傾け、あのね…と遠慮がちに訊いてきた。


「今日はどうしてスカートじゃないの?」


似合ってたのに…残念がられ、悪い気はしないけど。


「んー?」


唸りながら、頭の中に浮かぶ理由を思い返す。
それを正直に話すのもなぁ…と思い、在り来たりな返事をしておいた。


「冬だし寒いからやめたの。それに、スカートだと皆と元気よく遊べないから」

「ええ〜!そんなことで〜!?」


勿体ない…と言われてしまい、私もたまには穿いて出勤したいな、とは思うんだけど。
でも__。




「……葵、もう職場にスカート穿いて行かないでくれよ」


そう頼んできたのは、やっと彼氏だと認識できるようになった今泉君だ。
彼は当直へ行く前に立ち寄った店を出て直ぐ、私に話があるんだ…と言ってそう願った。

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