イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛
こっちはいきなりな願いで、目が点に変わった。
この間、千歌と一緒にスカートを二着買ったばかりだし、それが無駄になるじゃん、と言いたくもなったが……。


「どうして?」


授業のことで悩んでる時、たまには服装を変えてみるのもいい手だぞ、と言ったのは彼だった。
それなのに、穿かないでくれ、なんて矛盾してる。


(わざわざ新しいスカート買ったのにどうするのよ)


モノトーンだし普段使いにしよう思えば、コーデをまた考え直さないといけない。


(そういうの、あんまり得意じゃないんだけど)


これまた女子としてどうよ、と思いたくなる日常を思い出し、若干恨めしそうな眼差しを向ける。
そんな私に彼は困ったような視線を返して、鼻筋を掻くと……


「葵の足を誰にも見せたくないんだ。同僚の教師にも、保護者にも」

「はぁ?」

「出来れば生徒にも見せないで欲しいけど、まあ子供だけはヨシとする」


おいおい…と唖然とする様な嫉妬を口にして照れる相手を見つめ、喜びたいのは山々だが、ムクれたくもなる。


「今泉君」


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