イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛
だけど、二学期の文化祭を過ぎた辺りから急に胃痛に悩まされ始め、最初は市販の胃薬で痛みを緩和してたんだけど、この最近になり、食後に我慢できないくらいの胃痙攣を経験し、流石にもう駄目だと観念して、病院へ行こうと思いやって来た。
選んだ病院の名前は『今泉クリニック』
中学時代に同じ名字の男子がクラスに居たなぁ…と思い出し、そこに決めて、よろしくお願いしますと診察室に置かれた黒い丸椅子の上にお尻を着けたら、何とまあ、目の前に見えるのは物凄くイケメンなドクターで、一瞬ラッキー!と思ったものの、相手は私の顔を見るとハッとした表情に変わり、まさか…と声を発すると私のカルテを見つめ直し、「望月さん?」と顔を上げて訊き返してきたんだ。
「えっ…はい」
キョトンとして相手を見ると、白衣を着た医師は照れくさそうに笑い、「お久しぶり」と言うではないか。
「お久しぶりって」
初めましてじゃないの?と思っているとドクターは微笑み、「覚えてないのか?」と訊いてくる。
「覚えてないのかって」
困惑した様子で言い返すと彼はクスッと笑い、「俺、中学時代の同級生で、今泉洸大なんだけど」と爆弾発言を落とした__。