イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛

クローゼットを開けてハンガーに掛かった衣類を眺める。
教師になってからの六年間は、男性と付き合う余裕もなく、掛かった衣類はほぼ通勤着の様な物しか無いんだけど。


「あ、そう言えば私、この最近スカートとか穿いたこともなかった」


アラサーとは言え、若い女子としてそれはどうなの！？と思うような声を発し、ズラッと並ぶパンツ類を見つめながら、「まあ仕様がないか」と諦める。


「どうせお情けのデートなんだし、そんなに可愛い格好も必要ないだろうしな」


この間の今泉君のスタイルに合わせておけばいいか…と気軽に考えて服を選んだ。

だけど、何を着てもきっとあの彼の隣に立てば見劣りするんだろう…と諦め、ほぼいつもの通勤スタイルになってしまった＿＿。