イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛

「うわぁー、なんだか色っぽい感じの車。こういうのって、どういう人が運転するんだろ」


ゆっくり近付きながら、間違っても教師は乗らないなぁ…と呟く。保護者の目もあるからね…と苦笑して思い、堅実そうな仕事をしてる人はまず、乗らないんじゃないのかな、と推測した。


私の頭の中では、間違いなくお金持ちで、遊び人みたいな風情の男性が運転するんだろう…と浮かんでて、それこそ美人でスタイルが良くてモデルみたいな女性を隣に侍らせ、見せびらかしてるんだろうな…と想像して、あり得そうだと納得した。


「……間違っても今泉君の車じゃないよねぇ」


まさかね、と窺いながら呟き、彼の車はきっと黒で、この間の服装からして、ゴツい感じの４ＷＤかスポーツカーみたいなのに乗るんだろう…と勝手にイメージして決め付ける。


（……そう。こんな感じ）


脇をすり抜けてく車体に目を奪われて見送る。

空きスペースに止まった車の中から運転手が降りてくるのを見つめてたら、ポンと背後から肩を叩かれ、振り向くと彼が立っていて＿＿。