イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛
「今泉君、凄いね」
胸をときめかせて戻ってきた彼に声をかけると、満更でもない感じで微笑みが戻る。
それがまた何とも言えないくらいにイケメンオーラたっぷりで、一緒にいることの気後れだとか躊躇いとかも、一気に吹き飛んでしまいそう……。
「次は望月さんの番」
頭上のモニターを指差す彼に合わせて見遣ると、アオイと名前が表示されてある。
(あ…アオイ…)
それを見てなんだか急に焦った。
だって、彼にはまだ名字でしか呼ばれてないのに、いきなり名前が入力されたと知ったら、かぁっと体が熱くなる__。
「ほら、頑張って」
自分の後ではやり難いだろう…という感じで見送られ、私はうん…と頷きながらもボール手にして前に進む。
……多分、今泉君は私が下手くそだと思い、やれるだけやってきなよ…の意味で頑張れと言ったんだろうと思う。だけど、残念ながら私、案外とボーリングは上手なんだよね。
(ただ数年ぶりだから、上手く転がってくれるかどうかは謎だけど)