イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛
「今夜はトレーニングジムに行くつもりでいたんだよ。でも、別に明日でもいいから、今日は望月さんに付き合う」

(いや、それ、私が今泉君に付き合わされてる様な気がするんだけど違う!?)


頭の中で反論してみるが声にはならず、揺られるままに連れて来られた場所は___



「えっ……バッティングセンター?」


車外へ出ると、キィン…と金属音が弾けるのが聞こえた。


「そう。さっき偶然見つけたんだ」


往診の帰りにね…と言う彼は、車をロックするとスタスタと建物内に向かいだす。


「ねぇ、ちょっと待って」


私は胃が痛くて今泉クリニックの前に居たんだってばぁー、と言えない言葉を飲み込んで近付くと、振り向いた彼は微笑んで。


「望月さんのストレス、此処で発散させよう」

「えっ」

「どうせ学校で何かあったんだろ。そんな顔してるように見えた」


ほら行こう、とぐいと肩を抱くもんだから慌てる。
そのまま彼が歩こうとするもんだから腕を伸ばし、「調子に乗らない」と言いながら押し離そうとした。


(え…っ、こんなに硬いの?)


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