イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛
胸板の硬さにドキッとした。
医者ってもっとナヨナヨとしたイメージだったんだけど、今泉君の体はきちんと筋肉が発達してて、骨も硬くて頑丈そうな感じがしたから驚いた。


(どういうこと?)


ジムに通うくらいで、こんな逞ましい身体つきになるもの?
それとも彼、何かスポーツをしてたっけ?


ポカンとしたまま見上げてたからだろうか、視線が落とされ、何だ?と訊ねてくる。


「そんなにガン見して何かあった?」


土曜日よりも更に近い距離にいる彼がニヤつき、私はカッと顔が熱くなるのを感じた。


「な…何でもないよ」


目を伏せて横を向くと、今泉君は少し鼻で笑い、肩に腕を乗せたままバッティングセンター内へと入って行く。


中は案外沢山のお客さんがいて、皆自分達の腕前に合うスピードの部屋で、思い思いにバットを振り回して楽しんでる。


「初心者は大体80キロ辺りから始めるのが妥当なんだけど、望月さん経験あり?」

「な…ない」


て言うか、バット振るのですら高校生以来なんだけど。

< 79 / 241 >

この作品をシェア

pagetop