イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛
窓の向こうから声をかけてくる今泉君。
こいつ本当に鬼軍曹みたいなとこあるな…と思いながら前を向き直ると、またボールが飛び出してきて驚く。


「ヒャッ!」


今度は何とか振り回してみたけど、ボールなんてよく見てないから、見事な空振りに終わり__。


「ボヤボヤすんな、次くるぞ!」


(えーん、だから私は胃が痛くて病院へ行ってただけなんだってばぁー!)


くそぉ…と思いながら二十球のボールにバットを振った。
最初の五球目までは、おっかなびっくりでいたのもあり、ほぼ空振ってばかりいたんだけど。


それでも最後の最後でようやくボールがバットに当たり、ボテボテだったけど少し前に飛ぶことが出来た。



「ひでぇ有様だったな」


二十球終えて中に入ってきた鬼軍曹。
私はいきなりバットを振れと言われても無理だと反論し、そんなに言うなら今泉君もやってみなよ、とバットを渡す。


「腕前拝見させて貰おうじゃない」


これで同じくらいのレベルなら思いきり笑い転げてやるんだとニヤついて外へ出た。
彼は私が窓に張り付くと不敵な笑みを浮かべ、バットの重さを変えてブンブンと素振りを始める。


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