イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛
(わっ…)


ビックリするよりもドキッとしてしまい、呆然としたままその腕から解放されるのを待った。

私の頭から手を離した彼は、自分もやろうと言って背中を向けて歩き、速度100キロの部屋に入って快音を響かせた__。



バッティングセンターを出た私達は、そのまま近くのラーメン屋さんに向かうことにした。
だけど、当然の如くラーメンを禁止された私は、おでんと漬物でご飯を食べる羽目になってしまい__。


「私もラーメンが食べたいのに」


じっ…と今泉君の元に届いたラーメンを見遣る。


「よく言う。さっきは何も食べたくないって言ってたのに」

「でも運動してお腹空いたし」

「それでもダメだ」


背中丸めて歩いてたから胃が痛かったんだろ、と言われ、チッ、そこを見抜いてたのか…と口籠る。


「何があったんだ」

「え」

「言ってみろよ」


話すのも解消法の一つだと言う彼に目線を向け直した。
頭の中では算数の時間にあったことが蘇り、折角払った筈のストレスをまた感じながらこう言った。


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