イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛
イメージを壊してみろ
マンションに着いた私は、渋々彼を部屋に通すことになってしまった。それは彼が本当に頑固で、言った言葉通りにしか動かなかったからだ。


「一緒に対策練った方がいいって。一人で考えてもドツボにハマるだけだから」


現に生徒の態度には変化が見られてないみたいだし…と痛いところ突かれ、私は諦めて彼を部屋の中へと招き入れた。



「どうぞ」


狭い部屋だけど…とワンルームに案内する。
部屋の広さは八畳程度で、ベッドはロフトの上にあるからきっと大丈夫だと思う。


(……って、何かあると思う方がどうかしてるけど)


でも、この人無断でキスをしてくるしなぁーと横顔を見つめ、適当に座って…とラグの上を指差した。


「お邪魔します」


礼儀正しい今泉君は、頭を下げてラグに座る。
そして部屋の中をぐるりと見回し、「色気ねぇ」と余計な言葉を呟いた。


(何!?)


人の部屋に来といてそのセリフはないでしょ。
しかもアラサーとは言え、私これでも一応女子なんですけど!?


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