イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛

だから、いつものイメージを壊してみれば？と言いだし、何なら自分がコーデを考えてやろうかまで言ってくる。


「け、結構！」


クローゼットの中を開けられては大変とばかりに拒絶。
とにかくその案は考えてみる…と返事し、他に何かアドバイスないの？と訊いてみた。


中学時代、勉強ばかりしてたイメージの今泉君だ。
きっと彼なりの勉強法があった筈だと思う。
だが＿＿。


「そうだな、例えば生徒が授業を聞いてないなと思ったら怒るんじゃなくて、思いきって脱線するのも手かな」

「は？」


何言ってんの！？

そんなことしてカリキュラム通りに進まなくなったら困るじゃん、と呆れて顔を見ると、彼はこっちを見返してニヤつき、さっきも言ったけど…と重ねた。


「イメージを壊してみろって。生徒が思うような行動じゃないことをして驚かせるんだ。
例えばニッコリ笑って、元気がいいね…と褒めてやる。教室を出ていけじゃなくて、皆でグラウンド走ってこようか…と提案するとか。
そしたら多分、他の子からはブーイングになるだろ。ならなくても皆で走れば頭のリフレッシュにもなるし、その後の授業も捗るかもしれねぇだろ」