イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛
ガタンとベッドから立ち上がった私は、ショックのあまり床に倒れ込みそうになった。
今夜こそ唐揚げ…いや、トンカツでもいいから食べてやる、と意気込んで来たのに。


「先生〜!」

「分かりましたか?」

(いや、分かる訳ないでしょ!)


あんまりだぁー!と涙ぐんできそうな感じで彼を見つめ直したが、この鬼軍曹の気持ちが容易く変わる筈もなく。


「来週またおいで下さい」


ニッコリと表面上は優しい顔で微笑む彼。
でも、どう見ても意地が悪そうにしか見えないのは、私の心が曲がってる所為?


(許せん!)


後でブーブー文句言ってやる!と思い診察室を後にした。
会計に呼ばれるまでの間に、サササ…とメッセージを送り、自分から彼を食事に誘う。


『今夜、一緒に精進料理、食べましょう』


あんただけお肉は許さないから…と思って送り付けた。
そして、病院の近くにある本屋で待ってる…と文字を加え、病院の診察時間が終わるのを待ち構えた__。



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