六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】
私とお母さんは、亡くなったおじいちゃんとおばあちゃんが住んでいた、住宅街の中の一軒家を継いでいる。
未婚の母になった一人娘のお母さんと、生まれてくる私のために残せるものはこの家くらいだから、って、生前リフォームをしてくれていて、今は二階建ての洋造りになっている。
おじいちゃんとおばあちゃんの記憶は少しだけだけど、二人とも穏やかで仲が良くて、大すきだった。
その家になんで晃くんがいるかと言うと……高校に入って少しした頃、家に帰ったら晃くんがいた。
『あれ? 晃くん来てたんだ?』
『来てたってさゆ……なんも聞いてねえの?』
『へ?』
晃くんは私を「さゆ」って呼ぶ。
学校では絶対止めて! って厳しく言ってあるけど。だって悪目立ち(以下略
『さゆー? 帰った?』
『お母さん。奏子さんも』
リビングには、ノートパソコンを広げたお母さんと奏子さんがいた。
うちでもお仕事中かな?
『さゆ、ちょっと話があるから座って?』
『? うん』