六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】
「そ。だからさゆはなんか近い存在に思っちまうって言うか。旭の家もそうってことは、さゆも知ってるのか?」
「知ってるよ。さゆが知らないことも、俺は知ってるけど」
「さゆには言わねえの?」
「今はねー。……大事な妹、傷つけたくないし」
ぽつりとつぶやかれた言葉。
……なんか重大な単語があったような気がする……。
気を付けて、そこだけ反復する。
「……妹?」
って、言ったよな? 旭は軽く肯いて、瞳を細めた。
「うん。言ったでしょ? うちも同じ状況だったって」
妹って……今、さゆの話をしてるんだよな?
「マジ?」
「マジだよ?」
「ってことは旭、さゆと腹違いの兄妹ってこと……?」
「そうそう。さすが晃。呑み込み早いねー」
いつもの軽い調子の旭。
いやいや、そんなレベルで語っていい話じゃねえよ。