六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】
お母さんに呼ばれて、ダイニングテーブルにつく。
四人で食事することもよくあるんだけど、私の隣には晃くんが座る。
この日もそうだった。
『仕事でね、私と奏ちゃんで海外出張することになったの』
『あ、そうなんだー。忙しそうでなにより』
『……軽いな、さゆ』
隣から聞こえた声は呆れていた。
『だって仕事が忙しいのはいいことじゃない。倒れたりまではいったら駄目だけど』
今度は奏子さんが話し出した。
『うん、それでね、さゆちゃん。実は期間がまだ決まってなくて、一カ月になるか半年になるかわからないのよ』
『その間、さゆを家に独りになんてしておけないからって奏ちゃんが、晃くんを一緒に住まわせることにしてくれたの。と言うわけで、帰る時期がわかったら連絡するから、晃くん、さゆをよろしくね?』
『っす』
『ちゃーんと、さゆちゃんのこと護るのよ?』
『当然』