六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】
「相馬、三科……っ」
「咲雪を囲んで歩くの見えちゃってさー。なんだって? 一発くらい殴られろ、だっけ?」
「なら最初は琴―」
ドカッと音を立てて、琴ちゃんの拳が先陣切って話していた女子の顔の横、校舎の壁に突き刺さる。
「なに? 怖いの? 大丈夫、痛いだけだから。顔カタチが変わるくらいって、歯が全部折れるくらいは殴っていいってことだよね? 今、歯科技術発達してるから心配することないよ?」
「なっ……なに、やばいこと言って……」
「あれー。琴のこと、知らないのかー。八重桜とか、八重桜琴とか呼ばれてたんだけどねー?」
そう言って、いつも通りの可愛い笑顔と八重歯を見せる琴ちゃん。
あの、それって知られたくない黒歴史なんじゃ……。
「三科って……! と、隣町シメてたヤンキーだよ……っ」
え。