六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】


そして、特に感情に見えない表情で喋り出す。


「えー、あちらに見えますあちらのおふたりさんは、小学校時代の幼馴染さんらしいです。仲超悪いんで関わらない方が身のためです。南無阿弥陀仏」


天に召されちゃった……。


「相馬ァ! ややこしい言い方すんな!」


「凛ちゃん! 晃はただの知ってる人なだけだもん! 幼馴染なんて可愛いものじゃないもん!」


「えー、幼馴染さんですらなく、敵同士さんらしいです。なんまいだ」


ガイドモードで続ける凛ちゃん。れ、冷静だな……。


「琴少し黙ってろ! 話つけに来たのはお前じゃねえんだよ!」


「じゃあさっさっと片付けてよ! 琴は好きな人のために大事な友達諦めたりしないもん! 好きな人のために好きな人諦めたりしないもん!」


あ―――……。


今、琴ちゃんが言った言葉。……思いっきり刺さった。


「よう、そこの。雪村が直接話してくれるらしいぜ?」


凛ちゃんに言われて、びくっとみんなの肩が跳ねた。


琴ちゃんとの言い合いでヒートアップしてしまった晃くんは、目線だけで人を射殺せそう……。

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