六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】


「――あの元ヤンが言ったように、俺が先にさゆに惚れたんだよ。……さゆは俺だから、さゆを傷つけるのだけは赦せない。どうしてもさゆのことが欲しくて、俺から近づいたんだ。認めてくれとは言わない。でも、さゆだけは……傷つけるのはゆるさない」


「……っ、……ごめん、なさい……」


「その……今まで誰とも付き合わなかった雪村くんに急に彼女が出来て……なんか、認められなくて……」


「私のことだったら!」


声を張り上げると、視線が一気に私に向いた。――大丈夫。


「私のことだったらいくらでも悪く言って構いません。でも、晃くんのことは悪く言わないでください。晃くんのことは、私が護って行くと決めてるので」


『………』


「晃くんを害するのは、誰であってもゆるさない」


すっと、右手の指先が絡め取られた。


「うん」

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