六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】
「ごめんなさい。司さんが、どれだけ雪村くんを好きか、わかってなかった。私たちじゃ到底敵わないわ……。認めないとか言ってごめん。撤回します。雪村くんの相手には、司さんしか認められないよ」
「あ、はい……ありがとうございます……?」
「三科さんも、相馬さんも、巻き込んじゃってごめんなさい」
ぽつぽつと「ごめんなさい」って言葉が聞こえてくる。
「あたしはいいよ。ただ、この騒ぎを教師や他の奴らにチクらないってあたしたちも保証するから、代わりにあんたらは、琴の過去に関する一切は誰にも言わないでもらおうか」
あ、そうだよ。それ、口止めしておかないと。
「それは約束します。……八重桜に目をつけられたなんて、恐ろし過ぎて他言出来ないよ……」
「「………」」
琴ちゃん、中学時代なにしてたの……。私も凛ちゃんも同時に黙ってしまった。
――って、それより!
「琴ちゃん、巽の言葉、嘘じゃないよ? 巽、嘘つくような人じゃないから」
「そうだぜ、琴。今お前、藤沢から逃げてきちまってる状況なんだから、ちゃんと答えないと」