六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】
私と凛ちゃんが、私たちに抱き付いて震えている琴ちゃんに言うと、周りの女子たちからも応援がかかった。
「三科さん! 今答えないと!」
「藤沢くん、待ってるよ」
どんどんかけられる言葉に背中を押されたか、恥ずかしくなったか、琴ちゃんはばっと顔をあげた。
そして目を充血させて、頬も真赤にさせた顔で口を真一文字に結んだ。
「琴ちゃん、言ってきな」
そっと腕を叩くと、琴ちゃんは軽く肯いた。
「ふ、藤沢くん……!」
「うん」
「こ、琴も――私も、藤沢くんのこと……すきです! ずっと、高校入ってからずっと、好きです!」
「……ほんと? 晃じゃなくて、俺でいいの?」
「なんで晃が出てくるのっ? 琴、晃のこと別に好きじゃないよ? むしろ琴と凛ちゃんの咲雪ちゃんを奪った悪者だよ?」
「だって三科、晃とはよく喋るけど、俺とはあんま喋ってくれなかったから……」
私と同じ誤解を、巽もしていた。