六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】



一応保健室で湿布を貼ってもらった晃くんを待って、みんな帰宅路。


「ほら、琴。せっかく恋人になったんだから隣歩くくらいしろって」


「そんな畏れ多い……!」


凛ちゃんに促されるけど、凛ちゃんの腕に抱き付いてなかなか巽の方へ行かない琴ちゃん。


琴ちゃんの巽大好きもここまで来ると微笑ましいなあ。


晃くんと旭、巽が前を歩いていて、その後ろに私たち三人が並んでいる。


「旭、巽のこと止めててって言わなかったっけ? 俺」


「あれでも頑張ったんだよ? 羽交い絞めにしてたんだよ?」


「お前琴より役立たねえな……」


「晃、毒舌やめて。じゃなくて、大丈夫なの? 頬。湿布貼ってるけど……」


「いなしてこの威力だよ。この暴力女。腕っぷし男並みだろ」


「いなしてたんだ……」


「利き手は知ってたから、俺相手だったらそっちで顔面狙ってくるだろうなあ、とはな」


……晃くんと琴ちゃん、まさかだけど小学校時代からこんな関係なわけじゃないよね? 顔面狙うのを予測してたとか……。


「あの、みんなどうしてあそこへ?」


全員集合だったよね?

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