六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】
「けどな、巽。お前少しは女見る目養え?」
「なっ……! 晃! 藤沢くんにヘンなこと言わないでよ!」
結構なことを言った晃くんに、琴ちゃんは言いかかる。
けど、何故か巽は照れ照れしている。
「いやー、実を言うと今日ので惚れたってわけじゃないんだよね。前から、晃が時々三科を『琴』って名前で呼んでるの、なんか羨ましくてさ。結構前から好きだったと思うんだよね」
巽の告白に、琴ちゃんはばっと顔を両手で覆った。
「琴、もう死んでもいー」
「琴ちゃん⁉ 巽! 琴ちゃん殺さないでよ!」
「いや、今のはそういう意味じゃないだろ、咲雪」
「そうだよ三科。せっかく、その……付き合えたのに。そんな哀しいこと言わないで」
巽が立ち止って、琴ちゃんの頭に手を載せる。
「……俺も、琴って呼んでいい?」
「……っ、も、勿論です……っ」
琴ちゃんはやっと手を外して、眩しそうに巽を見上げている。
なんか二人の周りだけ別空間というか、キラキラしてるんだけど……。
「さーて。出来たてバカップルは置いて帰るかー」