六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】
side旭
「邪魔とかしなくていいの?」
「なんの?」
流れで一緒に歩くことになった相馬さんは、のんびりした口調でそんなことを訊いて来た。
「あいつら。一緒の家に住んでるとか、青山的には大丈夫なんかなーって」
……的確だな。
「全然大丈夫じゃないね。心配過ぎる」
可愛すぎる大事な妹を持つ身としては。
「ああ、やっぱお前――
と、相馬さんが言いかけた。それは否定しておいた方がいいよな?
「あ、いや俺のはそういうんじゃなくて」
「好きなのか。雪村を」
「……は? 相馬さん、何て言った?」
「雪村のこと好きなんだろ? だから咲雪に嫉妬してる」
「……相馬さんって腐女子?」
「違うけど。あたしはノリで話すのが好きなだけ」
「悪質な……」
性格をしているなあ、この子。
そして続けてにやにやしないでほしい。