六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】
「と言うわけで、まだ雪村のじゃないから青山にもチャンスはあるわけだけど?」
「いや――俺のさゆへのそういうんじゃなくて……」
「ないのか?」
「あ、あえて言うなら、可愛すぎる同い年の妹を持った兄の心境、みたいな感じだな!」
みたいな感じじゃねえだろ俺! 真実伝えてんじゃねえか!
「なるほど。咲雪が大事過ぎてバグ起こしてるんだな、青山の頭は」
「………」
俺のさゆ大事がバグで処理された……。
「まあ、咲雪も雪村もいい奴だから、心配すんなって」
バシッと背中を叩かれた。
「あ、ありがと……?」
「おう」
あー……ほんと心配。でもほんと、晃もさゆもいい奴なんだよなー……。
今、秘密を持っているのは俺だけで。
晃も巻き込んで秘密の共犯者にさせてしまっているけど。
……知ったら、さゆはどうするんだろう。