六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】


「うん」


「旭と競ってるときが一番楽しくて、つられてテストの点数もよくて、……なんか、旭は特別だった」


「うん」


「……好きだって気づいたのは、離れてからだった」


「……そっか」


「うん……」


「旭はさゆが妹だって知って大事にしてたから、あいつは少しタチ悪いな。今度シメとく」


「な、なんで晃くんがそんな……」


「俺の大事な子を泣かせたんだ。そんくらいいいだろ」


「……まさか、晃くんまで私の兄とかいうオチ、ないよね……?」


「それはないよ。俺はちゃんとさゆのこと、好きだから」


ちゃんと。


「こんなときに言うの卑怯だと思う。でも、旭を好きなままでいいから、誤解はしないでほしい。俺は、さゆのことを一人の女の子として好きだと思ってる。大事な子っていうのも、俺の一番大事な女の子って意味だから」


ちゃんと、伝えた。


……これでいい。想いを残すことはもうな――


「……さゆ?」

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