六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】


「私が今好きなのは、これから好きでいるのは、晃くんなの。……旭は初恋だったけど、過去形、なの。晃くんを好きになってなかったら、旭を好きだったってことも気づかなかったと思う。

……旭がお兄ちゃんだって知って、旭だけにそんな秘密を背負わせて、私は呑気に晃くんと一緒に過ごして幸せでいて……罪悪感? みたいなのが一気に来てパニック起こしちゃったけど……。晃くんのこと、これからも好きでいても、いい、かな……?」


……ほんと? さゆが……俺の、こと……。


「さゆ」


「は、はい」


「俺、さゆのことが好き。俺と付き合ってください」


「わ、私も晃くんが好きですっ。よ、よろしくお願いします……?」


「なんで疑問形なの」


「信じらんなくて……。晃くん、好きな人は作らないし、付き合うとかする気ないって言ってたから……。告白、なんかしたら、晃くん、離れて行っちゃいそうで……」


ああ……。巽にも指摘されていたこと、さゆの心に残ってしまっていたのか。

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