六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】
「さゆに……可愛い妹にふられた……」
「よかったな。もう俺ので」
「……晃っていい性格してるって言われない?」
「言われる」
「否定しろよ! あーもう! おめでとう! よかったな、さゆ! ずっと幸せでいろよ俺のきょうだい達め!」
「あ、旭?」
旭は急に叫んだと思ったら、鞄を摑んで玄関に向かった。
「あさ――
「出来たてバカップルに関わってるほど俺は寛大じゃありません。明日はお前らいじりまくってやるから覚悟しとけよ」
捨て台詞っぽいものと、二カッとした笑顔を残して、旭は扉の向こうへ消えた。
「だ、大丈夫かな、旭……どっか壊れたんじゃ……」
旭の態度の急変に戸惑っていると、晃くんが私の髪をわしゃわしゃと混ぜた。
「大丈夫だろ。旭、メンタル強そうだから」
「そうかもだけど――」
「それより。付き合い始めた日なんだから、もっとこっち見てて?」
「っ」
……晃くんが、急に糖度を増した気がします……。