六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】
side旭
失恋、決定。
「いや、自分から否定しといてそんなんもないんだけどなー」
一人淋しい帰り道。さゆと晃が暮らしている家から。
「………」
やべ、さすがに泣きそう。
……さゆの幸せを願って来たのは嘘じゃない。でも、本当は。……本当は、俺が―――……。
「お、青山―」
聞き覚えのある声に振り向くと、相馬さんだった。
私服で、コンビニの袋を提げている。
「一人か?」
「あ、うん。さっきまでさゆん家に」
「へー」
にやにやとする相馬さんの視線が痛い。
「青山さ、咲雪のこと本気だっただろ?」