六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】
『あー、うん。実はね、私、結婚……しようと思う方がいるの。前から親しくしていた人で、今度帰国したら、さゆに逢わせたいって思ってるんだけど……。さゆ、父親っていう存在そのものを知らないから、どう反応するかなーって思って、ずっと言えなかったの……』
結婚。小雪さんが。
「……さゆなら、ちゃんと話せばわかってくれると思います。小雪さんが真摯に、相手の方を想っているなら」
『そうよね……。また、さゆにも電話して話しておくわ』
「ちょっと気が早いかもしれませんが、おめでとうございます」
『ありがとう、晃くん』
『晃、私からも話があるんだけど……』
「なに?」
『お母さん、今まで交際を申し込まれても、男に嫌気が差してたから全部断ってきたの。小雪と出逢ってからは、仕事してる方が楽しかったし。でも……縁を感じる方がいたら、……お付き合いくらいはしてみようと思ったの。いい?』
母さん……。