六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】
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「こ、晃くーん」
ノックとともに、さゆの声が扉の向こうからした。
「ん。どーぞ」
「お、お邪魔しまーす……」
そろそろとドアが開いて、さゆが顔をのぞかせた。俺はベッドに腰かけて開いていたノートパソコンを閉じる。
「晃くん、お仕事はもういいの?」
「今日の分は終わってる」
「さすが」
さゆが来てから仕事しているなんてもったいなさ過ぎて、結構前に片付けていた。
今やっていたのは明日以降にあげればいい分。
「おいで」
手招くと、さゆは恥ずかしそうに視線をうつむけ気味で歩み寄って来た。
「晃くん、あのね?」
「うん?」
何か話があるみたいだ。さゆが俺の隣に腰かける。
「さっき晃くんがお風呂行ってる間に、またお母さんから電話あって……」