六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】


「うん」


「ど、土曜日、……お父さんになる人と、逢ってもらえないかって言われたの」


「ああ……」


さっきは母さんたちが泣きだしたから俺が一方的に通話を終えちゃったけど、休みの日を空けて置けってのはそういうことだったのか。


「それで……私、条件つけさせてもらったんだけど……」


「条件?」


「うん。……晃くんも、一緒だったらいいよ、て……」


「俺? 一緒にいていいの?」


さゆが、くわっと牙をむくような勢いで振り仰いだ。


「だ、だって! お父さんなんて私全然知らないから何話せばいいかわからないし、そもそも男の人と話すの苦手だし、こ、晃くんがいてくれなかったら不安過ぎて……むしろ晃くんがいてくれたら不安じゃないから一緒にいてください! お願いします!」


……やばい。嬉しい。

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