六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】
「わかった。小雪さんはそれでいいって言ったの?」
「うん。さ、さゆの彼氏だから、一緒に紹介しておくのもいいね、て……」
……自分で言っといて頬を染めるさゆ。かわいすぎだろー……。
「そ、それでね? 私からも言って置きたいこともあって―――」
「――――」
続いたさゆの言葉にはびっくりしたけど、心底嬉しかった。
同じ布団の中に並んで、軽くさゆを抱き寄せるように腕を廻している。
「さゆ、苦しくない?」
「だ、大丈夫……。晃くんこそ腕、しびれない?」
「ないよ。……あー」
「どうしたの?」
「うん、幸せ」
「っ……」
「さゆ、もし先に起きたら俺も起こしてな?」
「いいの?」
「目ぇ覚めてさゆがいなかったら淋しいと思う」
「……逆だったら、私のことも起こしてね?」
「うん」
「……お、おやすみなさい、晃くん」
「おやすみ、さゆ」
大事な存在を抱きしめて眠る。それがどれだけ幸福なことか……。
……泣きそう。