六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】
「雪村晃です。咲雪さんとお付き合いさせていただいてます」
「雪村圭一です。すごいね、小雪さん。写真では見せてもらってたけど、娘さんも彼氏さんもすごい美形。僕の方が緊張しちゃうなあ」
そう言って、照れたように頬に指を当てる。
あ……なんか、大丈夫かも。
「色々と話すことあるから、取りあえず座りましょ?」
お母さんに促されて、テーブル席につく。当たり前のように、晃くんは私の隣に座ってくれた。
「咲雪さんは……咲雪ちゃんって呼ばせてもらってもいいかな? 僕もお父さんになるのは初めてなんだ。慣れなかったらおじさんでも雪村さんでも、呼びやすいように呼んでくれて大丈夫だから」
そう言って微笑んでくれる。
「いえ、私、お父さんって存在と呼び方は憧れで……私からもお願いがあるんですけど、いいですか?」
「僕に?」
「はい。――私を娘だと思ってくれるんなら、晃くんのことは息子だと思ってください!」
言った! 言っちゃった!