六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】
『と言うわけで、もう一回寝ててもいいよ? ちゃんと起こすから』
『いや、俺がさゆを起こす』
『いやいや、ここまで用意したからには譲れないよ』
『俺だってさゆのことどう叩き起こそうか考えてたから』
『叩き起こすなよ! せめて普通に起こしてよ』
『じゃあ普通に起こすからもう一回寝てて』
『制服まで着てるのに⁉』
『俺も制服だけど』
……こんなやり取りをしていたら時間喰って、二人して慌てて洗濯物廻してご飯作って食べて飛び出して来たんだ。
それで、遅い時間の登校になったわけだ。
「ねー晃くん。今朝どっちも自力で起きたから、起こすのどうのはやんなくてもよくない?」
隣でフライパンを操っている背の高い晃くんを見上げる。