六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】


ぴた、と奏子さんが止まった。


? なんの話だろう。


「……な、なんの話かしら」


「父さんに。チョコ作るか買うかで悩んでたろ?」


「……なんで知ってるのよ」


「ブツブツ言ってるところを目撃したから」


へー、そんなことが。


とか呑気に思っていたら、ダンッと、奏子さんが机を拳で打った。思わずびくっとしてしまう。


「だって晃が作るご飯の方が美味しいとか言われたのよ! そんな私が作ったものより晃が作ったのを私経由で渡した方が喜ばれるわ!」


「勝手に経由しないでよ」


「こ、晃くんっ」


も~晃くん器用過ぎるからなー。


奏子さんが、指を組んでそこに顎を載せて半眼で見て来た。

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