六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】
晃くんが手ずから食べさせてくれる特典が魅力的過ぎて、結局全部食べさせてもらってしまった。
持って帰ってじっくりいただくのと天秤にかけたんだけど……。
「さゆのも美味しかった。来年もくれる?」
「勿論!」
「今年と同じ渡し方でね?」
「も……って何言わすの!」
「今日のはどっちかって言うとさゆが始めたことだろ」
「そうだけどー。……今頃恥ずかしくなってきた……」
私はなんてことをしたんだ……軽く変態じゃないか。凛ちゃんの朝の言葉が甦って来た……。
「さゆと」
するっと、手が繋がれた。
「喧嘩しないって母さんに言われて、確かにそうだなって初めて気づいた」
「私も。晃くんが優しいからだよ」
「さゆが、俺がアホなこと言ってもゆるしてくれるからだよ。……あー」
「ど、どうしたっ?」
「早くさゆの花嫁姿見たい」
「……っ」
ま、またさらりと……。