六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】
「なんか……晃くんに好かれてるって思っちゃって……」
ぴん、と額を弾かれた。あう……。
「思っちゃって、じゃない。好かれてんの。さっきも言ったばかりだけど?」
「うん。ごめんー」
「……さゆ、やっぱ俺怒ってるから」
「やっぱり怒ってたのっ?」
私がにやにやしたから⁉
「うん、だから慰めて」
「え……怒ってる人を慰めるの?」
普通傷付いた人とかでは?
「そ」
キイ、と晃くんが門扉(もんぴ)を押した。あ、もうついてたんだ……。
玄関ドアの前で、晃くんが顔を近づけてきた。
「はい」