六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】
「よ、よろしくお願いします」
「ん、ちゃんと待ってろよ?」
「うんっ」
穏やかな笑みを見せる晃くん。嬉しい……朝から晃くんと一緒にいられるんだ……!
「送ってくれてありがと。気を付けて帰ってね?」
「ん。明日な」
「うんっ」
玄関のところから晃くんを見送った。
晃くんは何度も振り返ってくれて、何度も手を振る。背中が見えなくなるまで、ずっと。
やば……なんか泣きそうになってきた……。
さっきまでの綺麗な夕ぐれが目に染みたとか、離れて行く晃くんの背中に淋しさを覚えてとか、理由はいっぱいある。
でも、一番大きいのは……幸せ過ぎて、だ。
大好きな人の一番になれて、大好きな人が一番でいてくれて、隣にいて手を繋いでいてくれて、手を伸ばさなくても触れることが出来て。
幸せ過ぎて泣くなんて、すごく贅沢だ。贅沢過ぎだ。
傷つけない、泣かせないって言ってくれた晃くん。……けど、うれし泣きなら、いいよね?
今日はありがとう、晃くん。
……また、明日。
END.