六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】
「お、さんきゅ」
なんと青山は、あたしのバイト先のコンビニの隣の本屋でバイトをしていた。
シフトが同じ日は一緒に帰るのも習慣になってしまった。んで、あたしを送り届けてくれる。
最初から思っていたけど、こいつ何かとスマートなんだよなあ。
「あ、雨」
バイトが終わったのは夜七時。雨が降っていた。
傘持ってるから、青山迎えに行くか。
いつもなら青山がコンビニに来るのを待つけど、隣だしな。いや、青山のことだから折り畳み傘とか常備してるかもしんないけど。
そう思いつつも、青山がまだ終業してなかったら店内見てりゃいいや、と傘を開いた。
「………」
うわあ、イケメン。
レジにいる青山の前に、女子高生が三人群がっていた。中堅の私立校の制服だ。
「青山さん、今度おすすめの参考書教えてくれません?」
うわあ、イケメン。口説かれてるよ。
「俺より先生に聞いた方がいいと思いますよ?」
うわあ、ドンカン。色目に気づいてねえよ。
青山、夏季休業前の試験で雪村と一緒に満点一位だったから、頭いいのは確かなのに……。
ちなみに一位が二人いたから、次点の咲雪は三位だった。悔しがってた。