六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】


「あ、相馬さん!」


入店したあたしに気づいた青山が声をあげた。


同時に女子高生三人の顔があたしに向く。しゃーねーな。


「青山―。雨降ってるから来ちまった」


「ああ、ごめん。俺もすぐあがるから」


青山がレジ内で答えると同時に、交代の人がやってきたみたいだ。青山がバックルームに下がって行く。


んで、どうすっかねー。


「あの……」


「うん? なんだ?」


この前の咲雪みたいに喧嘩売られんのかな。


琴には適わねーが、あたしも兄ちゃんと喧嘩しまくってきたからな。殴られて終わりにゃしねーぞ。


「もしかして……相馬凛さんですか?」


……なんであたしが身バレしてんだ?


「そうだけど……なに?」


「やっぱり! あの、ファンなんです! 私たち」

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