六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】
「雪村さんと司さんと、藤沢さんと三科さんは付き合ってるんですよね? だからてっきり――」
「相馬さん! ごめん、待たせた」
皆まで言う前に、青山が慌てた様子で出て来た。
急ぐことないんだけど……と言いかけたけど、正直目の前の状況がわからなすぎて、青山が来たことで助かったと思った。
「相馬さん? あの、さっきやっぱり嫌がらせを――?」
「……えっ?」
「さっきの人たち、相馬さんに何か言ったの?」
気が付けば、あたしの目の前には怖い顔をした青山がいた。
え……ここ、どこだ?
「相馬さん?」
「あ、青山……?」
「大丈夫? さっきから上の空だけど……」
そう言ってあたしの頬に、冷たい手が当たった。
体温が一気に集中したみたいに頬が熱くなって思わず飛び退った。