六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】


「ご、ごめん! なんか話の途中だったっけ⁉」


「いや、話しかけても上の空だから、さっきの人たちに嫌なことでも言われたのかな、って……」


「え? あ、いや全然! 彼女がいいとか言われてないから!」


「彼女? え、相馬さん、女子に告白されたの……?」


「ちげーよ! 青山の彼女だよ!」


って、なに口走ってんだあたしは! 



「俺? 俺、今んとこ誰かと付き合う気とかないけど……」


「だ、だよな! 咲雪に失恋したばっかだもんな!」


「……なんで相馬さんってそうグサグサ来るの……」


――って、今気づいたけどここ、うちの前じゃねえか。


どんだけ正気じゃなかったんだ、あたし……。


「凛? 何騒いで――


げっ! 兄ちゃん! タイミング悪く、家の前で、しかも青山がいるとこで兄ちゃんが帰ってきちまった。


「凛、友達?」


「え、えっと――」


あたしが口淀んでいる間に、兄ちゃんは青山をじろじろ見ていた。青山は笑顔を見せる。


「はじめまして。青山旭って言います。相馬さんの――


「母さーん! 凛がイケメン彼氏連れて来たー!」


「兄貴⁉」


バカ兄貴にでけえ勘違いされた!

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