六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】
「凛が⁉」
弾かれように母さんが出て来ちまった。あ~もう!
「悪ぃ、青山……」
「俺からも誤解だって言っとくから。友達だって」
「………すまねえ」
まあ、友達だけどよ。……なんかもやっとしちまったのはなんだ、これ。
「まあまあ、凛、こんなカッコいい男の子引っ掛けてくるなんて!」
本人前にして引っ掛けるとかいうんじゃねえよお母様。
雑に頭を掻く。
「ちげーよ母さん、兄ちゃんも。クラスメイトの青山旭。バイトしてる店が隣同士だから話してただけ」
「え、違うの? 彼氏じゃないの?」
「じゃねえよ。青山に迷惑かけること言わねえでくれ」
……なにが哀しくてこんな紹介を。