六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】


見上げると、青山が微笑を浮かべていた。


「来週はどこ行こうか」


「んー……ナスカの地上絵見たい。さすがに冗談で――」


「いいね、行こうか」


「え?」


今あたし、さすがに冗談ですって言おうとしたんだけど青山は遮って来た。


「さすがに今は無理だけど、高校卒業したらさ、海外(そと)、見に行こうよ」


「――――」


なんでそんなさらっと……。


「み、みんなも一緒に?」


「一緒のがよかったらそれでもいいけど……今は凛と二人って考えてた」


り、りん……。


ぱっと、繋いでいた手を離した。そのまま駆け出す。

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