六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】
「うん? あ、中学から一緒なんだ。中学んときから一度もテストで勝てなくてさ……。雪村絶対今笑ってやがるよ。勝者の笑みだよ……」
なんだか遠い目をし出す司さん。
そうだったんだ……。でも、確かにすれ違いざまに晃、少し笑っているように見えたけど……なんか、バカにしたような笑い方? じゃなかった気がする。
楽しそうな笑い方だったような……。
と言うか、晃と司さんが同じ中学出身なら、県下で一、二位を誇るこの高校の首席と次席を出したってことじゃん。
確か晃は公立の中学出身だったはずだけど、すごすぎない? その学校。
「仲いいんだね?」
「………」
重ねた問いかけに、司さんは答えなかった。代わりに視線を泳がせていた。
「あの……なんで琴のこと、迎えに来てくれたの?」
「なかなか帰ってこなかったから? 琴ちゃん、今日ずっと調子悪そうだったから」
今日ずっとって……琴のこと、見ていてくれたってこと?
「……迷惑、だったかな?」
司さんが、そっとうかがうように見て来る。そんなこと――